G1特集 第78回 菊花賞G1特集 第78回 菊花賞

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ミッキースワロー セントライト記念で持ち味を発揮

ミッキースワロー
セントライト記念を制したミッキースワロー

前走セントライト記念では先団を見ながらの追走で、アルアインをマークしやすい位置からの競馬だった。スローペースの展開の中、4コーナーから最後の直線にかけての反応はアルアインの方が上だったが、最後の直線での爆発力はこちらが上。素晴らしい決め手を見せて、豪快に差し切った。名手・横山典弘騎手に乗り替わり、持ち味が存分に出た印象だ。春の京都新聞杯では1コーナーまでに引っかかったこともあり5着に敗れた。菊花賞に直結する条件での敗戦ではあるが、あまり気にしないほうがいいだろう。未対戦馬との力関係なども未知数だが、楽しみの方が大きい。

アルアイン 皐月賞馬だが距離が課題

アルアイン
皐月賞を制しているアルアイン

ダービー以来の休み明けだったが、前走セントライト記念は2着。レース中の反応はかなりいいように見えたが、勝ち馬の決め手がかなり凄かった。馬体重のプラス10キロは成長分もあるだろうが、叩かれての良化は見込めるはず。それよりも今回は距離が課題になる。デビュー勝ちがマイル戦であり、皐月賞では好時計の勝利。血統面やレースっぷりから判断しても、マイル前後のスピード勝負に強さを発揮するタイプだろう。ダービーでは5着に踏みとどまっているが、さらに距離が伸びてどうか。折り合いもカギになりそうだ。

キセキ 遅れてきた素質馬

キセキ
神戸新聞杯で力を見せたキセキ

前走神戸新聞杯では道中、レイデオロをあまり意識しないような位置取りで脚をじっくり溜めての追走。うまいコーナーワークでロスなく最後の直線へ入り、末脚に期待したが2着まで。やはりダービー馬の決め手・貫禄が一枚上だったと言える。しかし、今回は同馬がジャパンCへ向かったため不在。自然と本馬にチャンスが巡ってきた形だ。春は思うような結果が出せず出世がやや遅れたが、デビュー戦での勝ちっぷりの良さは素質馬そのもの。クラシック実績馬にもヒケは取らない。ただ、こちらも課題は距離。2400mとは勝手が違う。どれぐらいの脚を使えるかになるだろう。

サトノアーサー 折り合い次第で上位争い

春は毎日杯で2着に敗れたものの、勝ったアルアインはその後の皐月賞を制した。本馬は日本ダービーに直行。当日は5番人気の支持を受けたが、10着に終わってしまった。勝ち馬からは0.7秒差ではあったものの、その時点では力が及ばなかった。夏場は休み、この秋は神戸新聞杯から始動。先団から追走し、直線での追い比べの末3着だった。ここは人気通りの決着だったが、ダービーの時よりもレイデオロとの差は詰めた。一応、距離の2400mもこなしたことになる。3000mが歓迎かどうかは微妙だが、折り合い次第になりそうだ。力を出せれば上位争いにもなるだろう。

ダンビュライト 距離が伸びて鞍上にも期待

前走神戸新聞杯は2番手からの競馬。スローペースの展開となり、最後は上位馬との決め手の差を見せられて4着に終わった。しかし、積極的に前々の競馬ができたことが何よりも好感触。距離3000mの菊花賞では、瞬発力よりも好位追走から長くいい脚を使うタイプの方が有望。同じスローペースでも2400mのレースとはまた異なる適性が要求される。勝ち鞍は新馬戦のみだが、朝日杯FS以外は大崩れはしていない。皐月賞は12番人気で3着と激走。スピード競馬にもいきなり対応したように、意外性も持っている。騎乗予定の武豊騎手の手腕にも期待だ。

ウインガナドル 一発の魅力を秘める穴馬

シャドーロールにチークピーシーズを着用している馬。気性的にやや難しい面があるため、主導権を握りに行く競馬が続いているようだ。それでも結果は残している。7月のラジオNIKKEI賞では淀みないペースを演出して、セダブリランテスの2着。そして前走は新潟記念に出走。ハンデ52キロの恩恵はあったが、古馬を相手に4着と善戦。長い外回りの直線でも最後まで粘り、横一線の際どい争いに持ち込んだ。父ステイゴールド×母父メジロマックイーンの配合は、オルフェーヴルやゴールドシップと同じ。スケールが大きく、距離延長でも苦にしない印象がある。実際には京都遠征、クラシック組との力関係がカギになるが、一発の魅力を秘める。

サトノクロニクル 京都の経験豊富で距離延長でも

未勝利勝ちが京都の芝1800mで、その時にはモズカッチャンを3着に退けている。1勝馬のまま5月の京都新聞杯に出走して2着。次走白百合Sでは辛勝だったが、京都芝コースのキャリアは豊富だ。ラジオNIKKEI賞は1番人気で6着と敗退したが、トップハンデであったことと、小回りが合わなかったことが敗因か。ひと息入れて出走した前走セントライト記念では3着に入り、一応優先出走権を確保できた。半兄にダービー2着のサトノラーゼンがいる血統。本馬は父がハーツクライに替わり、距離延長がプラスにでてもおかしくない。

ブレスジャーニー 紆余曲線を経て戦線復帰

骨折により春のクラシックを断念し、休養。美浦の本間忍厩舎から栗東の佐々木晶三厩舎へ転厩という紆余曲折があり、このたび戦線復帰となった。昨年11月の東スポ杯2歳S以来の実戦であり、当然休み明けのブランクはあるだろう。走り慣れた距離のオープン特別ならばともかく、今回は全く未知の長距離戦。しかも、G1ということで常識的にはかなり厳しい戦いになる。これまでダンビュライトやスワーヴリチャードを下すなど、この世代のトップクラスと互角以上の競馬はしている。今回はそのあたりの底力に期待といったところだろう。

マイスタイル マイペースで行ければ見せ場も

重賞での好走実績は春の弥生賞2着。かなりスローペースの展開を逃げて粘るという競馬だった。勝ったのはカデナであり、レースレベル的にも疑問がつくため、本馬の評価としても微妙にならざるを得ない。しかし、皐月賞で16着と大敗後、日本ダービーでは4着。皐月賞からは一転して、スローペースの展開ではあったが、大きく巻き返したのは事実。展開に恵まれたといってもダービーで善戦した点は軽視できないこともある。前走の神戸新聞杯は7着だったが、逃げる展開ではなかったので度外視していい。マイペースで行ければ見せ場は作れるかもしれない。

クリノヤマトノオー 鋭い決め手と勢いで

昨年8月に小倉芝1200mの新馬戦を勝ったが、その後は500万クラスで苦労した。今年5月、格上挑戦の白百合Sでサトノクロニクルとタイム差なしの2着と好走。次走自己条件を勝利し、前走1000万クラスの清滝特別を制して2連勝とした。ブランドベルグが逃げ切りそうなところを、上がり33秒7の決め手で鮮やかに差し切る内容だった。徐々に力をつけており、勢いを感じさせる一頭だ。今回、重賞初挑戦で距離の3000mも当然初めて。不安な点ではあるが、京都外回りでの決め手と目下の勢いは魅力。どこまで通用するか、楽しみだ。