第1729回 まさかのキャリア1戦馬が優勢!? 京成杯分析|競馬情報ならJRA-VAN

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まさかのキャリア1戦馬が優勢!? 京成杯分析

2024/1/11(木)

今週は土曜に小倉で愛知杯、日曜に中山で京成杯、京都で日経新春杯と3鞍の重賞が組まれている。今回は日曜中山メインの京成杯をピックアップ。昨年はソールオリエンスが勝利し、続く皐月賞も制している。クラシックへ向けて注目の一戦を過去10年のデータから分析し、今年馬券で狙えるタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

キャリア1戦、特に前走上がり最速馬が好成績

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1戦 4-  1-  3- 11/ 19 21.1% 26.3% 42.1% 167 110
(前走3F1位) 2- 1- 3- 5/11 18.2% 27.3% 54.5% 218 160
(前走3F2位) 2- 0- 0- 4/ 6 33.3% 33.3% 33.3% 130 53
(前走3F3位以下) 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
2戦 1-  3-  3- 32/ 39 2.6% 10.3% 17.9% 9 56
3戦 4-  4-  3- 28/ 39 10.3% 20.5% 28.2% 85 65
4戦 1-  2-  0-  9/ 12 8.3% 25.0% 25.0% 60 143
5戦以上 0-  0-  1- 29/ 30 0.0% 0.0% 3.3% 0 6

(表1 京成杯過去10年のキャリア別成績)

表1は京成杯過去10年のキャリア別成績。1戦の馬が昨年のソールオリエンスら4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。この組の3着以内馬8頭中6頭は近5年に集中しており、1戦で臨んで好走しているケースが増えている。1戦の馬における前走上がり3ハロンの順位別成績では、前走上がり1位だった馬が複勝率54.5%と非常に高い。前走上がり2位の馬も2勝をあげており、これら前走上がり2位以内に注目だ。

キャリア2戦の馬は1勝のみ。3戦の馬は4勝をあげ、複勝率でも1戦の馬に次ぐ28.2%と高い。4戦の馬は複勝率25.0%も、5戦以上になると3着1回のみと苦戦傾向にある。

前走1勝クラスでは葉牡丹賞組に注目

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
新馬 4-  1-  3- 11/ 19 21.1% 26.3% 42.1% 167 110
未勝利 0-  4-  2- 24/ 30 0.0% 13.3% 20.0% 0 70
1勝 3-  2-  3- 30/ 38 7.9% 13.2% 21.1% 33 41
(葉牡丹賞) 2- 2- 1- 4/ 9 22.2% 44.4% 55.6% 81 90
(エリカ賞) 1- 0- 2- 7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 53 78
(その他のレース) 0- 0- 0-19/ 19 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
オープン特別 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 113 144
G3 0-  1-  0- 15/ 16 0.0% 6.3% 6.3% 0 21
G2 0-  1-  1- 13/ 15 0.0% 6.7% 13.3% 0 24
G1 2-  0-  1-  7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 205 82

(表2 京成杯過去10年の前走クラス別成績)

表2は前走クラス別成績。表1で示したキャリア1戦の馬はすべて前走新馬戦組で、クラス別でもトップだ。前走重賞組は前走G1組の複勝率30.0%が優秀で、G2組・G3組は低調。前走オープン特別組も16年プロフェットの1勝のみで、連対率・複勝率20.0%。
出走数が最も多いのが前走1勝クラス組だが、好走馬の前走レースは葉牡丹賞とエリカ賞に限られている。なかでも葉牡丹賞組は18年ジェネラーレウーノら2勝をあげており、連対率44.4%・複勝率55.6%と非常に高い。この組の好走馬5頭はいずれも前走葉牡丹賞で連対を果たしていた。京成杯と同コースを経験しているアドバンテージが大きいのだろう。

前走1着で継続騎乗の馬が5勝

前走騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
同騎手 8- 3- 3-45/59 13.6% 18.6% 23.7% 105 67
(前走1着) 5- 3- 3-19/30 16.7% 26.7% 36.7% 126 105
(前走2着) 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 63 23
(前走3着) 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
(前走4着) 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
(前走5着) 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
(前走6〜9着) 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 104 38
(前走10着以下) 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 220 70
乗替り 2- 7- 7-64/80 2.5% 11.3% 20.0% 17 59

(表3 京成杯過去10年における前走から継続騎乗or乗り替わりの比較)

表3は騎手が前走から継続騎乗か乗り替わりかの比較で、継続騎乗の場合は前走の着順別成績も示している。継続騎乗の馬が大半の8勝をあげており、特に勝率は乗り替わりの馬を大きく上回っている。継続騎乗の馬の前走着順別成績では、前走1着馬が21年グラティアスら5勝をあげ、複勝率36.7%と優秀、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。なお、乗り替わりの馬は昨年のソールオリエンスら2勝で、2・3着が各7回と多い。

前走新馬戦1番人気1着馬を探せ

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
前走1人気 3-  5-  1- 11/ 20 15.0% 40.0% 45.0% 54 96
(1戦) 3- 1- 1- 4/ 9 33.3% 44.4% 55.6% 121 102
(2戦) 0- 3- 0- 3/ 6 0.0% 50.0% 50.0% 0 108
(3戦以上) 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0 72
前走2人気 3-  0-  3- 18/ 24 12.5% 12.5% 25.0% 99 92
前走3人気 1-  2-  3- 17/ 23 4.3% 13.0% 26.1% 90 66
前走4人気 1-  1-  0-  6/  8 12.5% 25.0% 25.0% 43 62
前走5人気 0-  0-  0- 11/ 11 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走6〜9人 2-  2-  3- 32/ 39 5.1% 10.3% 17.9% 43 66
前走10人以下 0-  0-  0- 14/ 14 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表4 京成杯過去10年の前走人気別成績)

最後に表4は前走人気別成績。前走1番人気馬が19年ラストドラフトら3勝をあげ、複勝率は45.0%と高い。前走1番人気馬のキャリア別成績では、前走新馬勝ちしたキャリア1戦の馬が全3勝をあげており、複勝率55.6%と優秀だ。2戦の馬も2着3回で、連対率・複勝率50.0%となっている。

前走2番人気以下からも好走馬が出ているが、連対率・複勝率で前走1番人気馬に差をつけられている。

【結論】

新馬戦を1番人気かつ上がり最速で勝利したバードウォッチャーが筆頭

馬名 前走成績
アーバンシック 百日草特別 1着
キャントウェイト 芙蓉S 2着
グローリーアテイン 新馬(東京芝1800m)1着
ジュンゴールド 紫菊賞 1着
ダノンデサイル 京都2歳S 4着
ドゥレイクパセージ 芙蓉S 3着
ニシノフィアンス 新馬(中山芝1800m)1着
バードウォッチャー 新馬(東京芝1800m)1着
マイネルフランツ 葉牡丹賞 2着

(表5 今年の京成杯の注目馬)

表5は1/11時点

今年の京成杯の出走予定馬で前走重賞組はエコロマーズ(前走サウジアラビアRC5着)とダノンデサイル(ラジオNIKKEI賞京都2歳S4着)の2頭のみ。ともに前走G3組で表2のデータからすると重視できない。

前走新馬戦で1番人気かつ上がり最速で勝利したバードウォッチャーを一番手で推奨したい。前走は東京芝1800mの新馬戦で、ルメール騎手が騎乗して勝利。今回も継続してルメール騎手が騎乗予定で、2戦目での重賞制覇に期待したい。

もう一頭推奨したいのはマイネルフランツ。表2で示した好相性の前走葉牡丹賞組で、その葉牡丹賞では2着に入っている。勝利したトロヴァトーレは強かったが、中団から上がり2位タイの脚で混戦の2着争いから抜け出している。馬券的な妙味では最も面白い一頭だ。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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