第1731回 4年ぶりに京都に戻るシルクロードSを分析する|競馬情報ならJRA-VAN

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4年ぶりに京都に戻るシルクロードSを分析する

2024/1/25(木)

昨年まで3年間は中京開催となったシルクロードSだが、今年は本来の京都に戻る。データをどのように扱うべきか悩むところだが、今回は過去10年分を京都の7年分(14〜20年)と中京の3年分(21〜23年)に区分し、レース傾向を読み解いていきたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

京都開催のほうが穴馬にはチャンスも

競馬場 人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
京都 1番人気 1- 1- 0- 5/ 7 14.3% 28.6% 28.6% 28 34
2番人気 3- 0- 0- 4/ 7 42.9% 42.9% 42.9% 200 75
3番人気 2- 1- 0- 4/ 7 28.6% 42.9% 42.9% 198 100
4番人気 1- 1- 0- 5/ 7 14.3% 28.6% 28.6% 110 82
5番人気〜 0- 4- 7-77/88 0.0% 4.5% 12.5% 0 97
中京 1番人気 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0 46
2番人気 2- 0- 1- 0/ 3 66.7% 66.7% 100.0% 293 193
3番人気 0- 1- 1- 1/ 3 0.0% 33.3% 66.7% 0 153
4番人気 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 220 73
5番人気〜 0- 2- 0-37/39 0.0% 5.1% 5.1% 0 20

(表1 人気別成績)

最初に人気傾向をチェックしておきたい。京都、中京に共通するのは1番人気がやや苦戦していること。代わって2〜4番人気が好成績を収めていることも同様だ。5番人気以下は、京都のほうが高い複勝率を残しており、複勝回収値97もなかなか優秀。穴馬にとっては中京よりチャンスが大きくなるかもしれない。

前走5着以内には入っておきたい

競馬場 前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
京都 前走1着 2- 4- 1-17/24 8.3% 25.0% 29.2% 30 79
前走2着 2- 0- 1- 5/ 8 25.0% 25.0% 37.5% 110 97
前走3着 0- 0- 2- 8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0 167
前走4着 2- 0- 0- 5/ 7 28.6% 28.6% 28.6% 198 68
前走5着 0- 2- 0- 7/ 9 0.0% 22.2% 22.2% 0 102
前走6着〜 1- 1- 3-53/58 1.7% 3.4% 8.6% 13 84
中京 前走1着 0- 0- 2- 6/ 8 0.0% 0.0% 25.0% 0 47
前走2着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走3着 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0 103
前走4着 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 80 138
前走5着 2- 0- 0- 2/ 4 50.0% 50.0% 50.0% 285 100
前走6着〜 0- 1- 1-26/28 0.0% 3.6% 7.1% 0 14

(表2 前走着順別成績)

前走着順別成績を確認すると、前走6着以下馬の苦戦は京都、中京とも同じ。前走1〜5着馬が中心となるが、京都の場合、複勝率ベースの数値は前走1〜5着であれば決定的な差はなく、前走で掲示板に載っていればOKとみたい。

同コースの前走が復権するか

競馬場 前走レース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
京都 京阪杯・G3 2- 2- 0- 7/11 18.2% 36.4% 36.4% 83 131
阪神C・G2 2- 0- 0- 8/10 20.0% 20.0% 20.0% 111 43
淀短距離S 1- 4- 3-20/28 3.6% 17.9% 28.6% 15 132
スプリンターズS・G1 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 77 33
ラピスラズリS 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5% 0 97
京都金杯・G3 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
タンザナイトS 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
カーバンクルS 0- 0- 0- 8/10 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
中京 スプリンターズS・G1 2- 1- 0- 4/ 7 28.6% 42.9% 42.9% 125 87
京阪杯・G3 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 66 22
タンザナイトS 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0 120
淀短距離S 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
カーバンクルS 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表3 前走レース別成績・出走5回以上のみ)

前走レース別成績は京都と中京で異なる傾向が見られる。京都の場合、前走で同じ京都芝1200mの京阪杯や淀短距離Sを走っていた馬の好走例が多い。しかし、近3年の中京では前走京阪杯が【1.0.0.9】、前走淀短距離Sが【0.0.0.9】と苦戦していた。京都に戻る今年は、京阪杯組や淀短距離S組が好走しやすくなっても不思議はない。逆に、中京のほうが好成績だった前走スプリンターズSや前走タンザナイトSは、京都開催が歓迎材料とならない可能性がある。最後に、前走3勝クラスについて付記しておくと、前走が芝1200mだと過去10年通算で【0.1.2.5】と侮れない。なお、該当する8頭はすべて前走1着だった。

斤量「今回増」の好走率が高い

競馬場 斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
京都 今回減 1- 3- 5-41/50 2.0% 8.0% 18.0% 8 145
増減なし 3- 2- 2-36/43 7.0% 11.6% 16.3% 40 53
今回増 3- 2- 0-18/23 13.0% 21.7% 21.7% 69 47
中京 今回減 0- 0- 0-16/16 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
増減なし 1- 1- 1-10/13 7.7% 15.4% 23.1% 50 51
今回増 2- 2- 2-16/22 9.1% 18.2% 27.3% 40 69

(表4 斤量の増減別成績)

ハンデ戦のシルクロードSでは、前走からの斤量の増減も気になるところだ。データをチェックすると、京都、中京ともに斤量「今回増」の勝率、連対率、複勝率がもっとも高いという傾向が出ている。特に「今回2キロ以上増」は過去10年通算で【3.2.0.5】と好成績なのだが、今年は該当馬がいなかった。対して「今回減」は、京都で複勝回収値145を記録。「今回減」の好走がなかった近3年の中京よりは、注意を払ったほうがよさそうだ。

前走4角10番手以降が健闘

競馬場 前走4角 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
京都 1番手 1- 2- 0- 7/10 10.0% 30.0% 30.0% 44 72
2番手 0- 2- 0-14/16 0.0% 12.5% 12.5% 0 38
3〜4番手 2- 0- 1-19/22 9.1% 9.1% 13.6% 39 34
5〜6番手 1- 1- 2-13/17 5.9% 11.8% 23.5% 30 195
7〜9番手 1- 0- 0-21/22 4.5% 4.5% 4.5% 35 15
10番手〜 2- 2- 4-21/29 6.9% 13.8% 27.6% 40 169
中京 1番手 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
2番手 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0 47
3〜4番手 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0 28
5〜6番手 1- 1- 0- 5/ 7 14.3% 28.6% 28.6% 68 57
7〜9番手 1- 0- 0-13/14 7.1% 7.1% 7.1% 28 15
10番手〜 1- 2- 1-14/18 5.6% 16.7% 22.2% 36 69

(表5 前走4角通過順別成績)

前走4角通過順に関するデータも興味深い。京都、中京で共通するのは、前走4角10番手以降の成績が悪くないこと。特に京都では前走4角1番手に次ぐ複勝率を記録している。ただし、前走7〜9番手は京都、中京ともに数字が悪いことには注意が必要だ。狙うのであれば、もっと後ろの10番手以降から追い込むタイプの馬のほうがいい。

では、逃げ・先行馬はどうか。先に中京から見ていくと、前走4角1番手だった馬は1頭も3着以内に入れず、前走4角2番手や3〜4番手の連対例もなかった。同様に京都も、前走2番手や3〜4番手が複勝率10%台前半にとどまっている。前走4角1番手だった馬なら好成績だが、逃げ以外の先行タイプは意外に好走しづらいレースであることがわかる。

【結論】

前走京阪杯で5着以内に入った2頭が有望

今回のデータ分析から有望と思われる馬を紹介していこう。まず前提として、登録20頭のうち、前走着順が1〜5着だった13頭を対象とする。

京都に戻る今年は、同コースの前走を重視したい。前走京阪杯で2着のルガル、同4着のトゥラヴェスーラは、どちらも斤量が今回増。一般的には割引材料と思われるが、シルクロードSに関してはむしろ好走しやすい。また、京阪杯の4角通過順がルガルは5番手、トゥラヴェスーラは10番手だったのもデータ的に悪くない。

過去3年の中京では苦戦した前走淀短距離Sも、今年は一定のマークが必要だろう。1〜5着馬のうち3頭が登録し、そのうち前走4角1番手のカルネアサーダに注目したい。そのほか、京都開催の14〜20年で勝ち馬2頭を出している前走阪神Cのアグリと、3勝クラスの芝1200mを勝ってきたバースクライも軽視はできない存在だ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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