第1734回 「2強」が不在のフェブラリーSを制する馬は?|競馬情報ならJRA-VAN

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「2強」が不在のフェブラリーSを制する馬は?

2024/2/15(木)

今週日曜日は東京競馬場でフェブラリーSが行われる。2024年も中央競馬のG1がいよいよ始まる。出走予定メンバーを見渡すと、昨年JRAのダートG1を2勝し、JRA賞最優秀ダートホースに輝いたレモンポップと、ドバイワールドカップと東京大賞典を制したウシュバテソーロが不在な点は残念だ。ただ、その分多くの馬に勝つチャンスがありそうだ。いつものように過去10年をJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用して振り返り、レース傾向を分析してみたい。

4歳・5歳が強い

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
4歳 4-  1-  1- 19/ 25 16.0% 20.0% 24.0% 1142 175
5歳 4-  4-  4- 24/ 36 11.1% 22.2% 33.3% 33 72
6歳 2-  1-  3- 27/ 33 6.1% 9.1% 18.2% 40 35
7歳以上 0-  4-  2- 58/ 64 0.0% 6.3% 9.4% 0 59

(表1 フェブラリーSの年齢別成績、過去10年)

過去10年(以下、同様)のフェブラリーSの年齢別成績を調べたところ、4歳と5歳の成績が良かった。6歳は5歳に比べると好走率が半分近くに下がってしまった。7歳以上になるとさらに厳しくなるが、8歳で好走した馬が3頭もいた。ベテランの馬も軽視はできない。

アメリカのダート血統に注目

順位 種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1 ゴールドアリュール 3- 2- 1-11/17 17.6% 29.4% 35.3% 1642 240
2 American Pharoah 2- 0- 0- 0/ 2 100.0% 100.0% 100.0% 420 205
3 トワイニング 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 214 80
4 Henny Hughes 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 170 60
5 ケイムホーム 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 52 26
6 Lemon Drop Kid 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 220 130
7 Frankel 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 280 160
8 キングカメハメハ 0- 2- 2- 9/13 0.0% 15.4% 30.8% 0 86
9 Majestic Warrior 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0 61
10 シニスターミニスター 0- 1- 1- 6/ 8 0.0% 12.5% 25.0% 0 81
11 ロードカナロア 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0 57
12 サウスヴィグラス 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0 62
13 アドマイヤマックス 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0 540
14 スタチューオブリバティ 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0 133
15 パイロ 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0 37
16 クロフネ 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0 102
17 アグネスデジタル 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0 105
18 プリサイスエンド 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 75

(表2 フェブラリーSの種牡馬成績、過去10年)

種牡馬成績を調べたところ、ゴールドアリュールが【3.2.1.11】の好成績で、ゴールドドリームとコパノリッキーが複数回好走した。勝ち馬を出している種牡馬の中で、現役時代にJRA所属だったのは意外にもこの馬だけだった。その他はAmerican Pharoah、トワイニング、Henny Hughes、ケイムホーム、Lomon Drop Kidと現役時代はアメリカのダートで活躍した馬ばかりだ。2着馬を出した種牡馬にもMajestic Warriorやシニスターミニスターといったアメリカのダート血統がいる。こうした上位勢の顔ぶれを見ると、明らかにJRAの芝とは異なり、ダートらしい特徴が出ていると言える。

前哨戦を使うことがマイナスではない

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
根岸SG3 4- 2- 3-49/58 6.9% 10.3% 15.5% 35 36
チャンピG1 3- 3- 2- 9/17 17.6% 35.3% 47.1% 78 114
東海SG2 2- 1- 1-16/20 10.0% 15.0% 20.0% 23 49
フェアウH 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 27210 3310
川崎記G1 0- 2- 0-13/15 0.0% 13.3% 13.3% 0 153
東京大G1 0- 1- 2-13/16 0.0% 6.3% 18.8% 0 45
JBCスプG1 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0 76
武蔵野SG3 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 220
JCDG1 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 140

(表3 フェブラリーSの前走レース別成績、過去10年)

前走レース別成績を調べたところ、根岸S【4.2.3.49】組が最も多く、その内前走2着以内だと【4.2.3.6】という好成績だった。逆に前走根岸S3着以下だと【0.0.0.42】であり、同レース組は連対馬のみをマークすればいい。そして東海S【2.1.1.16】組の出走が2番目に多い。現在、JRAのG1出走馬は本番までのレース間隔が短くなるので前哨戦を避ける傾向にあるが、本競走においては前哨戦を使うことがマイナス材料にはならない。前走G1/Jpn1組においては、川崎記念や東京大賞典組からは勝ち馬が出ていないが、チャンピオンズC【3.3.2.9】組は好成績だ。

前走1400〜1800mで2着以内が有力

前走平地距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
今回延長 4-  3-  3- 61/ 71 5.6% 9.9% 14.1% 29 33
今回短縮 6-  7-  6- 60/ 79 7.6% 16.5% 24.1% 367 119
1200m 0-  1-  0-  4/  5 0.0% 20.0% 20.0% 0 46
1400m 4-  2-  3- 57/ 66 6.1% 9.1% 13.6% 31 32
1600m 0-  0-  1-  7/  8 0.0% 0.0% 12.5% 0 27
1700m 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
1800m 6-  4-  4- 32/ 46 13.0% 21.7% 30.4% 630 138
2000m 0-  1-  2- 13/ 16 0.0% 6.3% 18.8% 0 45
2100m 0-  2-  0- 13/ 15 0.0% 13.3% 13.3% 0 153
2500m 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表4 フェブラリーSの前走距離別成績、過去10年)

さらに前走距離別成績を調べてみると、今回距離延長よりも短縮の方が成績は良かった。ただし、前走1800m【6.4.4.32】が好走馬の大半を占めており、前走2000m以上からは勝ち馬が出ていなかった。前走1400〜1800m組は【10.6.8.97】で、その内前走2着以内だと【6.4.5.32】という成績だった。つまり今回の1600mと近い距離のレースで好走している馬が狙いの一つになる。

【結論】

前走東海S2着のオメガギネスに注目

前走東海Sで2着と敗れてしまい危うく除外になりそうだったオメガギネスだが、ローテーション自体は好ましい。まだキャリアが浅く、G1経験もない新興勢力的な存在だが、本競走においてはそのようなタイプ(モーニンやインティなど)が良く好走しており、プラス材料だと考えたい。

前走成績が良く、1600〜1800mのダートG1/Jpn1で好走実績があるのはイグナイター、ドゥラエレーデ、レッドルゼル、ウィルソンテソーロ。前走東京大賞典は敗れたが、シニスターミニスター産駒のキングズソード、ミックファイアあたりまで有力とみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。


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