浦河地区
牧場現地リポート

世界中に旋風が吹き荒れる!

バスラットレオンが昨年のゴドルフィンマイルを、パンサラッサが昨年のドバイターフと今年3月のサウジCを制覇するなど快進撃が続く浦河地区。老舗牧場が建ち並ぶ馬産地は活気に満ちている。

いまや、浦河馬活躍の切り札となっているBTC(軽種馬育成調教センター)を知らぬ者はない。国内随一の規模を誇るトレーニング施設で、屋内坂路や芝、ウッドチップ、ダートといったバラエティに富んだ調教設備で、今日も明日の重賞ウィナーたちが調教を積んでいる。

その周辺で最大級の厩舎数を誇るのが、吉澤ステーブルだ。ジャックドールが大阪杯を勝利するなど、多くの出身馬が重賞戦線で活躍している。今年のラインナップも、もちろん豪華。

鷲尾健一マネージャーが、真っ先に名前を挙げたのは、アドミラルシップ (牡、父ゴールドシップ、母ヴィーヴァブーケ)。
兄にブラックホール、姉にライラックを持つ良血馬だ。「この馬も当たりですよ。ちょうどいいサイズで、ボリュームがあります。攻めても筋肉が硬くならないし性格もいい。優等生です」と、絶賛。

また、母が福島牝馬S馬のスイートサルサ21(牝、父ロードカナロア)は、「やるほどにパワーがつき、筋肉にメリハリが出てきました。バネが良くて反応もいいですね」

ゴールドスカイ21(牝、父アルアイン)は、「入場時から見栄えがしました。筋肉の質がいいですね。気性も競走馬向きです」

カーリンズビーエフエフ21(牡、父Yoshida)は、叔父がドレフォン。「一見、緩すぎに見える飛節が、ハーツクライにルーツを持つこの血統のいいところ。フットワークも柔軟です」

Justify産駒のエンタイスド21(牡)も、叔父に愛ダービー、セントレジャーを制したCapriがいる。「重め感はなく、切れがあって日本競馬向き。ひと蹴りでグンッと進むパワフルさもあります」

今年の吉澤ステーブルは「昨年よりシャープな作りにしています」と鷲尾マネージャー。「競馬のサイクルは年々早くなっています。その流れの中で、即戦力として送り出したい」と、力を込めて話した。

育成馬のパンサラッサ、バスラットレオンの活躍に沸く、シュウジデイファームの岸本洋明場長のイチ押しは、タンギモウジア21(牝、父レイデオロ)だ。「跳びが大きくて、小気味のいい動きをします。移動は早くにできそう」という。

また「うちにいる同世代の中では、群を抜いて動きます」というグランドクララ21(牡、父エピファネイア)は「小柄ですが完成度は高く、坂路を軽く15-15で上がってきます」と、素質を秘めているようだ。

半兄がドレフォンというEltimaas21(牝、父Curlin)は、「血統馬らしい、パワフルな走り。2000mくらいまではこなせるでしょう。期待値の高い1頭です」

また、ヘニーズネフュー(牡、父キズナ、母クローバーナイト)も叔父がヘニューヒューズという血統。「走りは重厚で、能力の高さを感じます。芝、ダートのどちらでも走れそうです。早期に移動できる態勢にあります」とデビューの日を待っている。

昨年は白毛のアオラキが話題となったディアレストクラブ。その半妹ポウナム(父サトノダイヤモンド)は、鹿毛。「気性は前向きで、1600mぐらいから対応できそうですよ」と話すのは、高樽優也場長。

クロコスミアの初仔となるモカラルビー (牝、父サトノダイヤモンド)への期待も高い。「気性も筋肉質な馬体も、母に良く似ていますよ。心臓の強さも母譲りです」とタフさが売りだ。

イチ押しと紹介してくれたのは、グアラニア(牡、父マインドユアビスケッツ、母ファド)。「骨がしっかりしているので、つくべきところに筋肉がついてきました。ベースが良くないと、こうはいかないですよ」と、自信を覗かせる。

エキドナ21(牝、父エピカリス)の母は、交流重賞3勝、ジャパンダートダービーで2着のハッピースプリントの半妹で、「雄大な馬体で、気性は牡馬のような強さがあります。坂路で15-13をやっても楽そうです」と、ポテンシャルは高い。

ファストフォースが高松宮記念を制した三嶋牧場。関東オークスを制したホワイトメロディーの孫娘・カラフルメロディー(父シャンハイボビー、母アルブスメロディー)がスタンバイ。「13-12までやってもスッと坂路を上がってきます。筋肉質でしっかりしていますし、乗り味もいいですよ」と、藤井健太調教主任の評価も高い。

王道戦線では、ミッキーチャーム21(牝、父ロードカナロア)がいる。「完成度が高いですね。とにかく動きますよ。体幹のブレも少ないですし、持って生まれたポテンシャルでしょうね」と胸を張る。

ムーンライトベイ21(牝、父キズナ)もクラシック候補。「馬格もあって飼い葉もしっかり食べるので体力があります。背中も良さは抜群です」

老舗の谷川牧場は、ファントムシーフが共同通信杯を制覇。その半弟のディスペランツァ (父ルーラーシップ、母ルパンII)は「兄と同様に馬格があります。走りもバネがあって切れのあるタイプです。素直ですし、攻めても飼い葉食いは落ちないタフさもあります」と話す高澤秀一育成牧場長。

母がフラワーC馬のファンディーナのパシフィックルート(牡、父ロードカナロア)も、「大柄な立派な馬体は母に似たのでしょう。おっとりした性格で、坂路ではスピード乗りのいい走りをします」と期待は高い。2頭とも、すでに移動している。

本誌初登場の富田ステーブルの代表、富田源太郎さんは、ノーザンファームの出身。日下和博調教主任の元でキャリアを積んだ腕利きだ。取材に応えてくれたのは、調教スタッフの堀部英斗さんと前田慎一朗さん。

レッドマーシャル(牡、父レイデオロ、母レッドシェリール)は「手が掛からないですね。背が高くて、体つきはしっかりしています。走りは力強いですよ」

ルージュクライト(牝、父ドゥラメンテ、母レッドコルディス)は「走るスイッチが入るとピリッとして、前向きさや集中力を発揮します。体の作りも柔らかいですね」と素質は高い。

今年も浦河旋風が吹き荒れそうだ。(スポーツ報知 志賀浩子)