セレクションセール2017

高額取引馬(1歳)

チリエージェの2016(牡 鹿毛)

落札価格
4400万円
生年月日
2016年4月27日生
ロードカナロア
チリエージェ
母父
サクラバクシンオー
落札者
(同)雅苑興業
販売者
(株)白井牧場

チリエージェの2016

 父はJRAでスプリンターズS(GT)2回、高松宮記念(GT)安田記念(GT)などを制覇し、香港に遠征して香港スプリント(G1・芝1200m)を2連覇した。このレースは世界有数の芝スプリント戦で、これを5馬身差圧勝した能力は尋常ではない。今年からデビューした産駒はすでに4頭が勝ち上がる好調ぶり。スピードがあるので確実性が高く、中距離をこなす仔も出てくるはず。

 母はJRAで28戦5勝。芝短距離で活躍し、セントウルS(GV)で5着という成績がある。繁殖成績はさらに優秀で、セントウルS(GU)、アイビスサマーダッシュ(GV)、京阪杯(GV)を勝ったハクサンムーン(父アドマイヤムーン)、ドイツに輸出されてバヴァーリアンクラシック(独G3・芝2000m)を勝ったウォーリングステイツ(父ヴィクトワールピサ)を産んでいる。

 母の父はスプリンターズS(GT)2連覇を含めて1400m以下では無敵を誇った短距離王。種牡馬としても大成功し、十数年にわたって日本の短距離路線を牽引した。ビッグアーサー、ショウナンカンプ、シーイズトウショウ、ダッシャーゴーゴー、カノヤザクラなど多くの名スプリンターを出したほか、グランプリボスのようなマイルを守備範囲に収めるGTホースも誕生している。

トウカイポピーの2016(牡 鹿毛)

落札価格
3800万円
生年月日
2016年4月9日生
ロードカナロア
トウカイポピー
母父
スピニングワールド
落札者
永井商事(株)
販売者
(有)二風谷ファーム

トウカイポピーの2016

 父はJRAでスプリンターズS(GT)2回、高松宮記念(GT)安田記念(GT)などを制覇し、香港に遠征して香港スプリント(G1・芝1200m)を2連覇した。このレースは世界有数の芝スプリント戦で、これを5馬身差圧勝した能力は尋常ではない。今年からデビューした産駒はすでに4頭が勝ち上がる好調ぶり。スピードがあるので確実性が高く、中距離をこなす仔も出てくるはず。

 母はJRAで31戦3勝。芝1400〜1800mを得意とした。産駒に現在3勝のトウカイシェーン(父ダイワメジャー)がおり、ノーザンダンサー、ヘイロー、デインヒル、マキャヴェリアンなどの共通牝祖である名門アルマームードのファミリーに属している。3代母アルパインスウイフトの孫にローマンエンパイア(京成杯)、曾孫にレオプライム(京王杯スプリングC2着)がいる。

 母の父は米国産。仏愛英米で愛2000ギニー(G1・芝8ハロン)、ジャックルマロワ賞(仏G1・芝1600m)、ブリーダーズCマイル(米G1・芝8ハロン)など14戦8勝の成績を残した名マイラー。種牡馬としては期待ほどの成績は残せなかったが、「ヌレイエフ×リヴァーマン」という良血は母の父としてモノをいい、オークス馬ヌーヴォレコルトを出すなど成功している。

セルリアンブルーの2016(牡 栗毛)

落札価格
3800万円
生年月日
2016年4月2日生
グランプリボス
セルリアンブルー
母父
コマンダーインチーフ
落札者
了徳寺 健二
販売者
(有)辻牧場

セルリアンブルーの2016

 父は28戦6勝(JRAで25戦6勝、海外で3戦0勝)。スプリント型の名種牡馬サクラバクシンオーを父に持つものの、距離の融通性があり、マイルGTを2勝(朝日杯フューチュリティS、NHKマイルC)したほか、安田記念、マイルCSでも2着となった。「バクシンオー×サンデーサイレンス」は距離がもつ傾向があり、母方の中距離適性に引っ張られた形だ。産駒は中距離もこなせるだろう。

 母はJRAで4戦0勝。競走馬としては芽が出なかったが、繁殖牝馬としてはデビルズハーツ(父ハーツクライ/OP)、メイショウイエミツ(父プリサイスエンド/1000万下)などを出している。2代母プレイリークイーンは中山牝馬S(GV)の勝ち馬で、5代母スズガーベラはオークス2着。1950年代から我が国で生きながらえてきた豪州産ローズミッドのファミリーに属している。

 母の父は英国産。英ダービー(G1)、愛ダービー(G1)を連勝するなど英愛で6戦5勝の成績を残した。名種牡馬ウォーニングの半弟で、従兄弟にレインボークエストがいる良血。稲妻のような瞬発力を誇ったダンシングブレーヴを父に持つものの、どちらかといえば芝よりもダート向きで、レギュラーメンバーをはじめ多くの砂巧者を出した。母の父としてはリトルアマポーラが代表格。

ソリッドプラチナムの2016(牡 黒鹿毛)

落札価格
3700万円
生年月日
2016年3月18日生
エイシンフラッシュ
ソリッドプラチナム
母父
ステイゴールド
落札者
永井 啓弐
販売者
(有)橋本牧場

ソリッドプラチナムの2016

 父は27戦6勝(うち海外2戦0勝)。つねに勝ち負けにからむ安定性には乏しかったが、上がりの速い展開になると無類の強さを発揮し、日本ダービー(GI)、天皇賞・秋(GI)を制した。ドイツ血統を色濃く受け継いでいるため馬体は重厚で、配合相手の牝馬にはスピードが求められる。新馬勝ちを果たしたスワーヴエドワードなど現2歳の初年度産駒から2頭の勝ち馬が出ている。

 母は26戦3勝。ステイゴールドが送り出した記念すべき初の重賞ウイナーで、3歳6月に49kgの軽ハンデを利してマーメイドS(GV)を制した。3代母インヴァイトは名繁殖牝馬ウインドインハーヘア(ディープインパクトの母)の半姉にあたる良血。繁殖牝馬としてはまだこれといった産駒は出していないが、底力豊かな血統構成だけに、配合次第では一発大物を出す可能性を秘めている。

 母の父は抜群の底力と激しい気性を伝えるサンデー系種牡馬。オルフェーヴル、ドリームジャーニー、ゴールドシップ、フェノーメノ、ナカヤマフェスタなど、芝中長距離の大レースで抜群の強さを発揮する。東京、京都コースよりも中山、阪神コースを得意とし、少し時計の掛かる馬場になるとさらに輝きが増す。ダートは得意とはいえない。「母の父メジロマックイーン」とのニックスは有名。

コーディーラインの2016(牡 栗毛)

落札価格
3700万円
生年月日
2016年3月7日生
オルフェーヴル
コーディーライン
母父
Miswaki
落札者
小笹 公也
販売者
(有)岡田牧場

コーディーラインの2016

 父は三冠のほかに有馬記念(GI)2回と宝塚記念(GI)を制した。仏遠征ではフォワ賞(G2・芝2400m)を2連覇し、凱旋門賞(G1・芝2400m)で2年連続2着。「ステイゴールド×メジロマックイーン」は全兄ドリームジャーニー、GTを6勝したゴールドシップと同じ。成長力豊かな中長距離タイプで、クリノクーニングが新馬戦(函館芝1800m)をレコード勝ちした。

 母は米国産。繁殖成績は上々で、いまのところ重賞クラスの大物はいないものの、コスタアレグレ(準OP)、レジアーネ(準OP)、グランセノーテ(500万下)と、コンスタントに走る仔を出している。「ミスワキ×ニニスキ」という洋芝向きの配合ながら、産駒は砂専門で、産駒がJRAで挙げた計9勝はすべてダートでのもの。オルフェーヴルとの組み合わせで産駒がどう出るか注目したい。

 母の父は米国産。仏英米で13戦6勝。サラマンドル賞(仏G1・芝1400m)を勝った。「ミスタープロスペクター×バックパサー」という組み合わせはウッドマン、シーキングザゴールドなどと同じニックス。日本ではジャパンC(GI)を勝ったマーベラスクラウンを出した。母の父としてはとくに優秀。ガリレオやシーザスターズ、サイレンススズカなど多くの名馬を出した。

プロフェシーライツの2016(牡 黒鹿毛)

落札価格
3500万円
生年月日
2016年4月11日生
ブラックタイド
プロフェシーライツ
母父
アフリート
落札者
里見 治
販売者
(有)フジワラファーム

プロフェシーライツの2016

 父ブラックタイドはJRAで22戦3勝。重賞勝ちはスプリングS(GU)しかないが、希代の名馬ディープインパクトの全兄にあたる良血馬だったため種牡馬入りを果たした。ディープよりもパワー型で切れる脚は乏しいが、それゆえに先行して粘り強い産駒が多く、名馬キタサンブラックを出したことで「ディープインパクトの兄」というよりもサンデー系の重要な一分枝となった感がある。

 母は16戦1勝。芝1200mの未勝利戦が唯一の勝利だった。2代母ストームザミントの子孫には、オノユウ(エーデルワイス賞)、シゲルコング(全日本2歳優駿2着)、スピリッツミノル(阪神大賞典5着)がいる。母の産駒は8頭がJRAで走り、5頭が勝ち上がっている。そのうちバンザイは新馬−若竹賞(500万下)を連勝した。配合種牡馬によってさまざまなタイプを出している。

 母の父は加国産。ジェロームH(米G1・ダ8ハロン)を勝って加年度代表馬に選ばれた。アメリカで種牡馬となり、後継種牡馬のノーザンアフリートが米二冠馬アフリートアレックスを出した。日本ではミスタープロスペクター系の代表的な種牡馬の1頭となり、プリモディーネ(桜花賞)、スターリングローズ(JBCスプリント)をはじめ芝・ダートを問わず多くの一流馬を出した。

マイネアンティークの2016(牡 青鹿毛)

落札価格
3500万円
生年月日
2016年3月9日生
ロードカナロア
マイネアンティーク
母父
サクラバクシンオー
落札者
(株)サラブレッドクラブライオン
販売者
今牧場

マイネアンティークの2016

 父はJRAでスプリンターズS(GT)2回、高松宮記念(GT)安田記念(GT)などを制覇し、香港に遠征して香港スプリント(G1・芝1200m)を2連覇した。このレースは世界有数の芝スプリント戦で、これを5馬身差圧勝した能力は尋常ではない。今年からデビューした産駒はすでに4頭が勝ち上がる好調ぶり。スピードがあるので確実性が高く、中距離をこなす仔も出てくるはず。

 母は中央未勝利(最高着順は2着)で南関東公営に移籍し、そこでも勝てず4歳暮れに引退した。競走馬としては芽が出なかったものの、血筋はしっかりしている。2代母スターアルファは5勝馬で、その兄弟に桜花賞(GI)とオークス(GI)を制したベガ、京都記念(GU)を勝ったマックロウがいるほか、近親にハープスター、アドマイヤベガ、アドマイヤボス、アドマイヤドンがいる。

 母の父はスプリンターズS(GT)2連覇を含めて1400m以下では無敵を誇った短距離王。種牡馬としても大成功し、十数年にわたって日本の短距離路線を牽引した。ビッグアーサー、ショウナンカンプ、シーイズトウショウ、ダッシャーゴーゴー、カノヤザクラなど多くの名スプリンターを出したほか、グランプリボスのようなマイルを守備範囲に収めるGTホースも誕生している。

ヒカルウェイブの2016(牡 鹿毛)

落札価格
3400万円
生年月日
2016年3月22日生
ディープブリランテ
ヒカルウェイブ
母父
トニービン
落札者
(株)サラブレッドクラブライオン
販売者
(有)登別上水牧場

ヒカルウェイブの2016

 父は7戦3勝(うち海外1戦0勝)。ディープインパクトが送り出した初のダービー馬。引っ掛かり癖があったので、気性面がもう少し穏やかならばもっと楽に勝てたかもしれない。現3歳の初年度産駒から無敗でラジオNIKKEI賞(GV)を勝ったセダブリランテス、3戦全勝の牝馬リカビトス、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)4着馬ディーパワンサなどを出し、上々のスタートを切った。

 母ヒカルウェイブは、わずか4頭しかいないトニービンのラストクロップ(2001年生まれ)の1頭。芝1800mばかりで3勝を挙げた。母方にマルゼンスキーを持つトニービン産駒は成功しており、ダービー馬ウイニングチケット、ユウキビバーチェ(チューリップ賞)、スプリングチケット(カレンチャンの母)などが出ている。産駒はJRAで出走した4頭中2頭が勝ち上がっている。

 母の父は愛国産のイタリア調教馬。伊仏英日で27戦15勝。イタリアのビッグレースを総なめにしてフランスの凱旋門賞(G1・芝2400m)に挑み、4歳時に2着、5歳時に優勝した。種牡馬としては1994年にJRAリーディングサイアーとなるなど大成功。牝馬二冠馬ベガ、ダービー馬ジャングルポケットをはじめ多くの名馬を送り出した。芝向きで東京コースに強く、成長力に優れていた。

フェアリーバニヤンの2016(牡 鹿毛)

落札価格
3300万円
生年月日
2016年3月11日生
ダイワメジャー
フェアリーバニヤン
母父
Honour and Glory
落札者
ノーザンファーム
販売者
(株)松浦牧場

フェアリーバニヤンの2016

 父は皐月賞(GI)、天皇賞・秋(GI)のほかマイルGIを3勝した名馬。4分の3妹に女傑ダイワスカーレット(有馬記念などGIを4勝)がいる。種牡馬としては仕上がりの早いマイラータイプとして成功し、カレンブラックヒル(NHKマイルC)、メジャーエンブレム(NHKマイルC、阪神JF)、コパノリチャード(高松宮記念)、レーヌミノル(桜花賞)などを出している。

 母は南関東の大井競馬で7戦2勝。繁殖牝馬としてはJRAで走った6頭中4頭が勝ち上がるという好成績を挙げている。そのうちの1頭ロンドンタウン(父カネヒキリ)は佐賀記念(JpnV)を制し、アンタレスS(GV)でも2着となった。「オナーアンドグローリー×ストームキャット」という血統でインリアリティ3×4。ミスタープロスペクターの全妹を4代母に持つ。ダート適性は高い。

 母の父は米国産。メトロポリタンH(米G1・ダ8ハロン)など4つの重賞を含めて17戦6勝の成績を残した。マンノウォーを経てマッチェムにさかのぼる希少な父系に属す。日本では帝王賞を勝ってNAR年度代表馬に選出されたネームヴァリューが代表産駒。アメリカでは米2歳女王のカレシングを出し、アルゼンチンでは主にダート競馬を中心に多くの一流馬の父となっている。

ケイティーズミストの2016(牡 黒鹿毛)

落札価格
3300万円
生年月日
2016年5月5日生
ルーラーシップ
ケイティーズミスト
母父
Posse
落札者
廣崎利洋HD(株)
販売者
(有)富田牧場

ケイティーズミストの2016

 父はキングカメハメハの後継種牡馬の1頭。二冠馬ドゥラメンテとは4分の3同血の関係で、エアグルーヴ(年度代表馬)を母に、ダイナカール(オークス馬)を2代母に持つ。サンデーサイレンスを持たないのも特徴のひとつ。現役時代にクイーンエリザベス2世C(香G1・芝2000m)を楽勝するなど5つの重賞を制した。産駒は距離が延びて本領を発揮し、成長力がある。ダートは上手。

 母はJRAで5戦0勝。現3歳の初仔イノバティブ(父ディープブリランテ)は早くも2勝目を挙げて母の能力を証明している。2代母ヒシナイルはフェアリーS(GV)の勝ち馬。その兄弟にヒシアマゾン(エリザベス女王杯など重賞9勝)、ヒシピナクル(ローズS)、ケイティーズファースト(アドマイヤムーンの2代母)、ホワットケイティーディド(スリープレスナイトの母)などがいる。

 母の父は米国産。米18戦7勝。リヴァリッジBCS(米G2・ダ7ハロン)など3つの重賞を制した。父系はデピュティミニスターにさかのぼるのでダート向き。マインドユアビスケッツ(ドバイゴールデンシャヒーン、マリブS)、コディアックカウボーイ(カーターH、ヴォスバーグS、シガーマイルH)、カレブズポッセ(BCダートマイル、キングスビショプS)といった一流馬を出している。

※落札価格は税抜

ライタープロフィール

栗山求(血統評論家)

大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌「週刊競馬通信」編集長を経て、現在はフリー。血統関係を中心に執筆活動を展開中。

ページトップへ戻る

  • X(旧:Twitter)
  • Facebook
  • Line
  • Youtube
  • Instagram

Copyright(C)2017 JRA SYSTEM SERVICE CO.,LTD.