セレクションセール2023 セレクションセールの見どころ

セレクションセール2022の様子

セレクションセール2022の様子

3年連続で売り上げレコードを更新し、昨年は売却率、そして平均価格も過去最高を記録した日高の選抜市場「セレクションセール」が7月25日(火)、26日(水)の2日間、北海道新ひだか町の北海道市場で行われる。

もう、言わずと知れた「実馬検査を伴う唯一の選抜市場」。その合否はあらかじめ定められた「血統基準」及び、セレクションセール選考委員会による「実馬検査」によって決定されるが、今回も600頭を超える上場希望馬の半数以上が削られる厳しい選定となっている。

「実馬検査」は読んで字のごとし。後述する「血統基準」をクリアした馬について、セレクションセール選考委員会が実際に牧場まで足を運び、実馬を見たうえで、上場馬が決定される。そのポイントは馬格はもちろん、四肢を含めた骨格構造や馬体のバランス、月齢に基づく成長曲線などが審査される。

血統基準とは「配合種牡馬」及び「母系」。配合種牡馬については直近の種牡馬ランキングが採用されるということだが、産駒をデビューさせたばかりの種牡馬や産駒デビュー前の種牡馬についても血統や競走成績など種牡馬としての将来性などが総合的に判断されるという。また、母系については、母や祖母、兄弟姉妹、甥や姪、おじおば、いとこに国内外の重賞競走における勝ち馬、または3着以内馬が多いものが優先されるというが、関係者によれば「血統基準を満たさぬまま申し込んでくる馬はほとんどいない」とのこと。なるほどセレクションセールの上場馬は「良血で、かつ好馬体」。だから、その取引馬は2018年から昨年までJRAにおいて5年連続100勝以上を記録しており、重賞戦線でも多数勝利をあげている。

セレクションセール出身の活躍馬

セレクションセール出身の活躍馬

そしてもう1つ。セレクションセールの魅力として言われているのがバラエティーに富んだ種牡馬陣。今年は7頭もの海外繋養種牡馬を含む70頭の種牡馬産駒がラインナップ。うち20頭以上が初年度産駒が1歳、または2歳というフレッシュな面々。今年もまた、夢が詰め込まれたラインナップとなっている。

また母に着目すると、2005年の阪神ジュベナイルフィリーズを制したテイエムプリキュアや2015年のチューリップ賞など重賞2勝のココロノアイ、2018年の関東オークス優勝馬ハービンマオの産駒が上場予定。まだまだいる。2015年のNHKマイルカップ優勝馬クラリティスカイの半弟(タイキクラリティの2022)や、昨年の札幌2歳Sに勝利し、今春のオークス3着ドゥーラの半弟(イシスの2022)、2019年の日経賞など重賞2勝メイショウテッコンの半妹(エーシンベロシティの2022)、今春のニュージーランドトロフィーを勝ったエエヤンと2014年の京成杯を勝ったプレイアンドリアルの半弟(シルクヴィーナスの2022)、2020年のフィリーズレビューを勝ったエーポスの半弟(ストライクルートの2022)などなど。また、昨年の有馬記念2着ボルドグフーシュの半妹(ボルドグザグの2022)もラインナップに華を添えている。

注記:当コンテンツは、2023年7月3日時点での情報を基に制作しています。

ライタープロフィール

山田康文(道新スポーツ記者)

1963年東京生まれ。
道新スポーツ馬事通信部記者。北海道新聞中央競馬本紙予想担当でもある。